2012/04/02

偶然と必然。

僕は、世の中の事はほとんどが必然だと思っています。


バイクポロもその必然の渦の中で理が成り立っているのではないかと思います。

例えば、ボールがイレギュラーバウンドだったとしても、小石か何かがあり、その時のボールの急速でそこに転がれば、必然的に跳ねる、といった具合です。

偶然に見えるだけで、それは起こるべくして起こった事柄なんだと、いつぞやから考えるようになりました。

やはりそれは、ミスをした時にそう考えることが多いように思います。



僕は『雷神』というチームでクロウとリキさんと一緒にプレイをしていました。

当所の予定では、クロウにパスを集め、シュートを打たせるスタイルでいこうと思っていました。
しかし、それが安易な考えでした。

お台場でやった「バイクポロの日本選手権」の時に打った目の覚めるようなクロウのダイレクトシュート。
左サイドからの僕のパスをクロウくんが自分の又を通し、ダイレクトで打ったあの強烈なシュートは今でも鮮明に覚えています。

しかし、あれは夢だったのかと本気で思うくらい、同じようなシュートは出てきません。


今思ってもあの頃のレベルであのシュートが打てるなんて、信じがたいです。
しかし、そこに偶然はなく必然だったのだと、自分に言い聞かせます。

そう思ったのもつかの間、レギュラーのシュートですらもスカの確率の方が高いんじゃないかと思う程、彼はスカッシュの虜になっていました。
そして、たちが悪いことにそのスカからの失点が多く、挙げ句の果てにはそのスカも見越した動きをせざるをえなくなりました。


これはヤバいと思った僕は、そのスカを減らすため原因を探りました。
サドルが高いとか、ボールを打つその時までボールを見るとか、いろいろアイデアは出てきて彼も渋々試していたのですが、なんだが根本的な解決が必要なのかもしれないと、思いました。


おそらく一番の原因は、不得意なポイント(ボールにマレットを当てづらいところ)で難しいと思われるダイレクトを打つからだと思います。

実際、正面や真横からのボールに対して、ダイレクトで合わせるのは、自分に対して斜めに来たボールに合わせるよりも難しいんだと思います。
それは、マレットが振り降りるであろう場所をボールは最短距離で通過するからです。
彼は、そういうボールに対して反射的に打ってしまう癖がありました。
猫とマタタビの関係に似ているかもしれません。
スッと出すとニャーってな具合に。


とても打ちやすい魅力的なボールに見えたのでしょう。
3枚目にいてスカをすると、相手の大きなチャンスになってしまうというときでも、迷わず打ちにいきます。
その思い切りの良さが彼のいいところなのですが、裏目に出てしまうとすぐ失点に繋がるので、トラップの判断もあるということも彼に伝え、状況を判断するか、ちゃんと当てるように言いました。


ですが、「ちゃんと当てろ」と言っただけで当たるようになったら、コーチなんていりません。
ただ、僕は彼になんでスカが多いのか考えて欲しかったんです。
おそらく、その理由を自分で探していったほうが、早く解決するんじゃないかと思ったからです。


スカをするにもスカをするだけの理由があります。
スカこそ偶然ではなく必然であって、何かしらの理由があると考えます。
精神的な理由なのか物理的な理由なのかを探して、打つためにはどうするかを探っていかねばなりません。

僕の場合、練習量が落ちてくるとミスが多くなり、ダイレクトも当たらなくなってきます。
おそらく、それは体を使っていなかった分、タイミングなり、スイングのスピードが遅くなることに起因します。
ちょっと疲れてるくらいの方が、調子良く当たったりするんです。
忘れやすく覚えにくい体を持った定めでしょう。
練習に時間を割かねば、維持するどころか、すぐ後退してしまう。
なんとも厄介です。


ところで、最近のクロウ選手ですが、何だか、うまくなってるように思います。
スカも以前より減りましたし、こぼれてしまったボールを自分でケアしてプラスにしています。
ミスを敵が来るまでに自分で処理できれば、ミスではなくなった気がします。

それがクロウの場合、フェイントみたいになり奇妙奇天烈な動きになるんです。
とっさの事とはいえ、常人には真似できません。
ダイレクトでのパスもちょこちょこ来ますし、やりやすくなったなぁと感じます。

クロウもチームメイトの前にポロをやり始めた時期が同じという仲間でもあります。
そんな昔からいっしょにやっているメンバーがうまくなるのを垣間見ると、とても嬉しく思います。
彼にはもっと先があるんじゃないか、その先を見てみたいって思ってしまいます。

ある意味、僕とは全く違うプレイヤーなので、僕の言っている事がそっくりそのままあてはまるとは考えにくいのですが、それでも、基礎的な部分や、ある種のアイデアなどは提示していこうと思っています。


合宿が楽しみです。

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