世界選手権から帰ってきて、Tokyoでは『behind you!』という言葉が一世風靡しました。
意味は、「テメェの後ろにいるからボールよこせ!」みたいなニュアンスです。
何故、流行ったのか僕にはわかりません。
おそらく、日本人の耳にはあの英語響きが心地よかったのでしょう。
他にも『center』や『opposite』、『cross』などいろいろあったと思いますが、最終的に勝ち残ったのは『behind』です。
ピックアップゲームで外国人とポロをするのに言葉はほとんどいりません。
トーナメントになったりすると話は別になると思いますが。。。
それは、音楽や芸術とともにスポーツも国境を軽く越えてくるからです。
言葉が通じない分、相手の動きやプレイを見てそれに合わせたり、合わせられたり、逆に得るものが多いかもしれません。
それに、ボールが欲しい時やパスを出したい時、名前を呼べばいいんだと思います。
僕の場合、問題はプレイに集中しすぎて名前を忘れてしまうということ。
ホントに覚えなきゃいけない時は、ゲーム中でもブツブツ独り言のようにチームメイトの名前を口で覚えようとします。
また、ピックアップをいっしょにすると、彼らはコチラがどれくらいポロができるのか見定めてきます。
相手チームへのアンテナのはり方と同じくらいの比率で、コチラを洞察し始めます。
僕が、自意識過剰だったのかもしれませんが、結構緊張しました。
敵陣に入る前、自陣でパスを出し、トラップ、ボールの捌き、ドリブル、ボールのタッチなど、一挙手一投足を見てコチラのレベルを測っているように思います。
僕も見た事のないプレイヤーを見る時には、まずはボールの扱い方を凝視します。
過去、一番ビックリしたのは、レキップのマニュのボールさばきです。
バンクーバーの夜、ピックアップも宴もたけなわ彼が、一人で自主練的な事をしているのを見ました。
「マニュえらいなぁー。こんなときでも自主練かー。あれ、アレ?あれあれ・・・すごい!なんやあれ!?あんなんどうやってするんや?」
とても柔らかいボールへのタッチ。
見た事のないボールのさばき方。
普通にやってるようで、普通じゃない。
彼のゲームでは見る事のできない、彼の奥深さ。(ゲームも充分奥深いですが。。。)
その時、これを見るために僕はバンクーバーに来たのかもしれない、と直感しました。
そしてそのプレイに黄昏てしまいました。
しかし、それと同時に、不安も生まれました。
いったいどれくらい練習すれば、あんな境地にいけるだろうかと。
もしかしたら、一生行けないかもしれない。
まだその上に別の境地があるかもしれないのに。。。
どこぞの誰かは、シアトルでマニュと宿が同じにもかかわらず、Tシャツ交換でまごついてしまい、結局Tシャツを交換をしてもらえませんでした。
まるで、先輩の卒業式で制服の第2ボタンをもらい損ねた女子生徒のように、ミッション失敗を成功のように語ります。
残念なことにマニュというプレイヤーの感じ方は人によって違います。
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